高齢者の方のインプラント治療では5年後、10年後を見据えて考えることが非常に大切です。インプラント学会のガイドラインでは顎の成長過程におけるインプラント治療はお勧めしないとなっていますが、年齢の上限はありません。当院でも80歳を超えてインプラント治療を希望されて健康状態やあごの骨の状態などの必要な診査を行った結果、インプラント治療を受けられた方は多数みえます。高齢者におけるインプラント治療のメリットはしっかり噛んで食事ができるようになることから、栄養状態が良くなり健康が改善、維持できるなど多々あります。また、しっかり噛めることで噛む刺激が脳に伝わり認知症予防になるとも言われています。以前は歯科医師の経験的エビデンスのように言われていたのですが、医科での研究もおこなわれるようになりマウスの実験などで証明されるようになりました。ただしメリットばかりではありません。
高齢者のインプラント治療におけるリスクとは
【持病がある場合】
インプラントは外科手術が必要です。高齢者の方は高血圧や糖尿病、心疾患、骨粗しょう症などの基礎疾患をお持ちの方もおみえです。このような方がインプラント治療を希望される場合には問診で伺うようにしています。もし、直近の血液検査結果があればご持参いただくと良いでしょう。
【治療期間】
インプラントは骨と生着するまでに最低3ヶ月から半年は必要です。その間、仮歯を使っていただくことになります。仮歯でしっかり噛めれば問題ありませんが噛めない場合には栄養補給の観点から検討が必要になることもあります。インプラント治療を受けることで栄養状態が悪くなっては本末転倒です。
【骨量不足】
加齢や歯を失ってからの期間が長いと顎の骨が細くなります。そのような場合には十分な骨にインプラントが支えられないこともあり骨移植や骨造成を伴う手術が必要になります。手術回数も増えることとなり身体への負担が大きくなります。また、噛めない期間が長くなるため栄養補給の観点からお勧めしません。
【骨粗しょう症】
骨がボソボソした状態になりインプラント体をしっかり保持することが難しくなり、長持ちしないこともあります。
これらが高齢者の方がインプラント治療を希望される場合の注意点です。当院ではこのようなリスクを回避して高齢者の方にもインプラントのメリットを享受していただくために、大口式インプラント法を考案、開発いたしました。骨量不足の場合には大口式インプラント法で骨を拡げてインプラント体を埋入するので、骨移植や骨造成を回避することが出来ます。骨粗しょう症の場合には大口式インプラント法で骨を凝縮して健康な骨の状態に近づけてからインプラント体を埋入します。骨移植や骨造成を伴わないことから治療期間も短くなります。
また、栄養補給の観点から出来るだけ早期に噛める状態にする方法としてデンチャーインワンという治療法も考案しました。これは1本のインプラントとノンクラスプデンチャーを組合わせる方法です。1本のインプラントを用いることでノンクラスプデンチャーが外れにくくなります。ノンクラスプデンチャーは金属のバネを使いませんので、見た目も入れ歯と気づかれず、外れる心配もありません。審美と機能を両立させた治療法です。早期に噛みたい、見た目を回復したいという高齢者の方にお勧めの方法です。
一口にインプラントと言っても様々な治療法があります。患者さんの希望やお口の状態に合わせて色々なプランをご提示いたします。気になる方はお気軽にお問い合わせください。









